2025年9月3日

ランクセス,創立20周年を迎え持続可能な未来に向けて記念イベントが開催される

アーステック

ドイツの特殊化学品メーカーランクセス(LANXESS)は,2025年8月19日(火)に都内で創立20周年記念イベントを開催した。2005年1月に独バイエルグループから分離・独立し,ドイツ証券取引所に上場して以来,事業ポートフォリオの変革を経て中間体,添加剤,コンシューマープロテクション製品に焦点を当てた活動をグローバル展開しており,日本の特殊化学品市場でも地位を確立してきた。

記念イベントは,国内の顧客やパートナー企業に向けてランクセスの先進的で持続化可能な技術とソリューションについて6つの主要テーマ(バッテリーおよびモビリティ,化粧品およびパーソナルケア,電機・電子材料および半導体,建設材料および塗装・コーティング,農業および食品・飲料,サステナビリティ)を設定し,展示やテクニカルセミナーにて説明した。

イベントの開催に先駆け,記者説明会でランクセスAGの経営委員会メンバーでアジア・太平洋地域を統括するフーベルト・フィンク 氏は「現在ランクセスは,世界と日本国内で直面する喫緊の課題に対応するため,高品質で革新的なソリューションの提供に尽力しています。過去数年間にわたり,ランクセスはポリマーから特殊化学品分野へと事業ポートフォリオを変革し,現在はコンシューマープロテクション製品,スペシャリティアディティブス,高品質な中間体などの事業に重点を置いています。

ランクセスは,『化学を活性化する』をビジョンに掲げており今後10年を見据え,顧客のニーズを最優先にイノベーションの推進と日本市場のニーズに適した持続可能なソリューションの提供に尽力しています。

日本はランクセスにとって戦略的に重要な市場です。化学業界の持続可能な未来の実現に向け,今後もパートナーとの協力関係を強化してまいります。日本の化学市場は,高度な技術と持続可能なソリューションにおいて,技術革新のグローバルリーダーです。ランクセスは,日本の顧客,特にe-モビリティ,IT,エレクトロニクス分野の進化する需要に対応できる体制を整えています。」と述べた。

ランクセス 代表取締役社長兼CEOの米津 潤一 氏は,「日本市場における先進的な技術と持続可能性への注力は,ランクセスの強みと合致しています。私たちは,グローバル企業としての強みと国内拠点での顧客サービスを活かし,お客様のニーズに沿った付加価値の高い製品ソリューションを提供してまいります。またイノベーションと国内顧客との協力を通じ,持続可能な開発に取り組んでいます。

豊橋事業所では,環境に配慮したプロセスを導入し,ゴム添加剤製造における資源利用の最適化とCO₂排出量の削減に取り組んでいます。」と日本市場での展開について述べた。

写真1 フィンク氏(左)と米津氏(右)
写真1 フィンク氏(左)と米津氏(右)

またブースでは,主要6テーマに関する展示が行われた。潤滑油添加剤に関しては,「電機・電子材料および半導体」分野ではデータセンター向けの浸漬冷却液向けベースオイル「Hatcol® Esters」を新たに発表。データセンター用浸漬冷却液の基油にはグループIIIベースオイルや鉱物油などがあり,用途や要求性能に応じて使い分けられている。エステル系オイルは長寿命,低流動点,高引火点,効率的な熱伝導,優れたポンプ性能を確保でき,さまざまな温度で効果的に作用できるなどの特長がある。eドライブライン向け潤滑油添加剤などのeモビリティに関わる新分野への取り組み,また環境目標として掲げている「2040年までのカーボンニュートラル達成」「2050年までのバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル実現」に向けた技術的な取り組みについて,持続可能な淡色硫黄系極圧添加剤「Additin® Scopeblue」を展示,テクニカルプレゼンテーションでは,ルブリカントアディティブスビジネスユニット統括マネージャーの瀬戸 なつみ 氏が「ランクセスの気候戦略と持続可能な製品群の紹介」,長谷川 亮太 氏が「電気電子及び半導体産業向けランクセス製品」について説明した。(’25 9/3)

瀬戸氏-ランクセス,創立20周年記念イベント
写真2 瀬戸氏
長谷川氏-ランクセス,創立20周年記念イベント
写真3 長谷川氏

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