潤滑油協会(会長:石川 裕二,中外油化学工業)は2025年7月10日(木),「2025年度潤滑油研究会」をアルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)で開催し,約140名が参加した。
同研究会は,資源エネルギー庁の支援のもと,潤滑油の品質確保事業等の支援事業(補助事業)の一環として,潤滑油技術等に携わる人材を育成するために必要な潤滑油関連情報を提供することを目的に,OILの日である7月10日に毎年開催している。
当日は,潤滑油製造業近代化委員会委員長の和川 紀之 氏(三和化成工業)による開会の挨拶の後,田川 一生 氏(ENEOS)が「潤滑油のカーボンニュートラルの取り組み」のテーマで,ENEOSのカーボンニュートラルへの取組み内容や,潤滑油でのカーボンニュートラルの取組み例として,植物系カーボンニュートラル油と,使用済み潤滑油を原料とした再生油の製造検討について紹介した。
また,山守 一雄 氏(トヨタ自動車)が「フラット粘度オイル技術とJASO GLV-2規格開発」のテーマで,フラット粘度オイル技術の開発やJASO GLV-2規格の概要について紹介した。
閉会の挨拶では,石川会長が「トランプ関税により自動車業界やベースオイルの価格にも相当影響があると思われるので,状況に注視して対応したい。ロシアへの高級エンジンオイル等の輸出が禁止されており早く再開したい。協会として補助金事業でBCPの推進をしており,カーボンニュートラル,各社のBCPの確立をお願いしたい。一般事業である試験依頼がやや減少しているので,是非とも試験依頼をお願いしたい」と述べた。(’25 7/30)