2025年6月25日

アマダが競争力を強化しEV・半導体で次の成長へ

アーステック
メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2025

2025年5月22日,アマダは,アマダ・グローバル・イノベーションセンター(AGIC,神奈川県伊勢原市)にて記者説明会を開催,2024年度の業績報告に加え,新製品の投入計画,ミドル市場への戦略,半導体など新分野への取り組みについて説明した。

冒頭,アマダ 代表取締役社長 執行役員の山梨 貴昭 氏は「AGICは,お客様とともに金属加工の未来を共創する空間であり,オープンから2年間で約8,300社・延べ1万8,000名の来場を迎えました」と述べ,同施設が国内外から高い関心を集めていることを説明した。また,2024年度決算では売上収益3,966億円を計上し,前年度に次ぐ過去2番目の高水準を記録した。中期経営計画の最終年度にあたる2025年度は,新商品投入と市場拡大による成長を目指す。

AGIC内に設置された「Innovation LABO」では,顧客との共同検証を通じた技術開発が活発に行われており,件数は昨年度比で2.5倍に増加。従来の板金加工を中心とした加工課題の解決,工法改革といった既存ビジネス領域に加え,EVなどの,e-Mobilityや半導体,金属積層造形,新規素材への対応など新たなビジネス領域の拡大が目立つ。

新製品として発表されたのは,海外向けファイバーレーザマシン「ORSUS-3015AJe」とベンディングマシン「SRB-1003」。精選したアマダの差別化技術を搭載。設計の合理化,グローバル調達によりコストダウンを図り,ミドルレンジの中でもコストパフォーマンスに優れる。中国などローカルメーカーの台頭が進む中,安全性・加工品質・信頼性を担保する。新製品は6月より北米や欧州,日本を除くアジア市場など,機種別に地域特性を考慮して本格展開を始め,既に多くの受注が寄せられている。

アマダグループのアマダプレスシステムの中小型プレス機に加え2025年1月に大型プレス機のH&F社を買収,両社の強みを融合することで,自動車メーカーやTier1サプライヤーとの関係を強化,プレス事業の市場拡大を目指す。

また半導体業界におけるプリント基板,パッケージ基盤の加工機市場において,特にハイエンド領域の生産性の高いドリル穴あけ機,超精密レーザー加工機の分野に高い技術力を持つビアメカニクス社の買収を通じて半導体業界への本格参入を図る。微細加工に強みを持つ同社とアマダのレーザー・自動化・IoT技術の融合により,最先端素材加工やサプライチェーン全体への対応力を高めていく方針。

同社は売上高5,000億円を中期経営計画の目標に据え,既存の板金ビジネスの深化とともに,EV,半導体という成長分野を軸に据えて事業拡大を進める。(’25 6/25)

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