出光興産は,CO₂除去(Carbon Dioxide Removal,以下,CDR)に関する事業に取り組むスタートアップ企業への投資に特化したファンドCarbon Removal Partners – Systemic Ventures I SCSp(以下,ファンド)に出資する。同ファンドは,CDRに関する高い専門性を有するCarbon Removal Partners AG(本社:スイス,以下,CRP社)が組成・運用するファンド。同社は出資に加え,CRP社とのパートナーシップを構築することで,多様な技術やプロジェクト,さらにはカーボンクレジット創出に関する実務的な知見を獲得し,CDRの社会実装を進める。なお,出資は出光アメリカズホールディングス(出光興産100%子会社)を通じて行う。
CDRの手法は,植林・再植林や土壌炭素の貯留といった「自然由来型」と,DACCS(Direct Air Capture and Carbon Storage,直接空気回収)やBiCRS(Biomass Carbon Removal and Storage,バイオマス由来のCO₂除去・貯留),風化促進(岩石などを利用した大気中のCO₂除去・貯留)といった「技術主導型」に大きく二分される。
同社が出資するファンドは,自然由来型の要素も取り入れつつ,技術主導型のCDRアプローチに重点を置いた包括的な投資戦略を採用。最先端のCDR技術の開発に取り組むスタートアップに加え,開発された技術の社会実装を後押しする,信頼性の高いMRV(Measurement, Reporting and Verification,測定・報告・検証)関連事業やカーボンクレジット市場の創出・整備に従事するスタートアップを幅広く選定していることが特徴となっている。(’25 6/11)