出光興産は,経済産業省のGX経済移行債を活用した投資促進策に,徳山事業所における「HEFAプロセスを用いた持続可能な航空燃料(SAF)の製造設備設置および供給体制構築事業」を提案し,採択された。同事業の総事業費の一部がGX経済移行債によって充当されることとなる。補助金の主な使途は,徳山事業所におけるSAF製造施設(年産20万kL)の建設となる。
同社は,徳山事業所において2028年度までにSAFの生産を開始することを目指しており,同事業を通して製造設備の建設と国内供給体制の構築を行う。同社はSAF製造設備の2025年度内の最終投資決定に向け,現在,基本設計を行っている。原料には廃食油等の廃棄物や,大豆油,将来的にはボンガミア等の油糧植物といったGHG(温室効果ガス)削減率の高い複数の油脂を活用する計画を立てている。事業遂行へのコミットメント,事業戦略,エネルギー供給事業者として原料調達から製造・販売までの一貫したサプライチェーンの実現に向け取り組みを進めていることが評価され,今回の採択に至った。
SAF事業は,同社が2030年に向け優先的に取り組む重点4事業のうちの一つで,年間50万kLの国内供給体制を構築することを目指している。(’25 3/26)