ジェイテクトは,2020年5月に開発を発表した,低トルク円すいころ軸受「LFT-V」の量産を開始した。同製品は,いすゞ自動車の新型「MU-X(ミュー・エックス)」に採用され,リアデファレンシャルに搭載される。
同社は,自動車のトランスミッションやデファレンシャルのピニオン支持などに使用される低トルク円すいころ軸受LFT®を1983年に開発。その後も内外輪軌道に特殊クラウニング形状を施したり,軸受内部に流入する潤滑油量を抑制したりするなど改良を重ね,低トルクニーズへのソリューションを提供してきた。LFT-Vは,樹脂保持器形状の最適化で潤滑油の流入量を最適制御し,損失トルクをLFT-IV比最大15%減を達成。加えて低昇温性の向上,さらにはシリーズ最軽量も実現し,モビリティ産業に一層のソリューションを提供する軸受となった。(’24 10/16)