2024年7月17日

「第36回変速機のトライボロジー研究会」開催される

アーステック

日本トライボロジー学会 会員提案研究会(旧第3種研究会)の変速機のトライボロジー研究会(主査:山本 建 氏,東海大学)は2024年7月5日(金),東京理科大学 森戸記念館(東京都新宿区)で第36回研究会を開催した。

当日は,村上 靖宏 幹事(技術オフィス・村上)(写真1)の挨拶の後,3件の話題提供と活発な質疑応答が行われた。

村上靖宏幹事の挨拶-第36回変速機のトライボロジー研究会
写真1 村上靖宏幹事の挨拶

上原 宏樹 氏(群馬大学 大学院理工学府 教授)(写真2)は「ポリアルキルメタクリレートの高分子材料表面への吸着がトライボロジー特性に及ぼす効果」と題して,ポリアルキルメタクリレート(PAMA)は金属材料表面に吸着し,摩擦低減に寄与することが知られているが,人工関節や自動車部品などの摺動材として用いられている超高分子量ポリエチレン,ポリアミド6を対象として,PAMAを含む潤滑油がこれら高分子基材のトライボロジー特性に与える効果を検討した研究を紹介。田川 一生 氏(ENEOS)は「カーボンニュートラルに向けた潤滑油の動向」と題し講演。潤滑油は省燃費・省エネルギー性能の向上で寄与しているが,さらに潤滑油基油用のカーボンニュートラル(CN)基材の開発も進められている。CNに向けた世界の動向や潤滑油の動向について報告した。浜口 仁 氏(GS Caltex Corporation)は「潤滑油添加剤の歴史(変速機用潤滑油を中心に)」のテーマで講演した。18世紀後半の産業革命を機に潤滑油が機械の稼働を支える重要な要素となったが,潤滑油添加剤が発明されたのはそれよりも1世紀以上経過した1917年頃と言われている。主に変速機用潤滑油を中心に,添加剤が油剤性能の向上に果してきた役割を振り返り,今後の展望についても予想した。

3件の話題提供後は会場を移して技術交流会を開催,盛況となった。(’24 7/17)

上原宏樹教授-第36回変速機のトライボロジー研究会
写真2 上原宏樹教授

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