2023年12月6日

ランクセスがPFASを効率的に除去するイオン交換樹脂製品群を拡充

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ドイツ特殊化学品メーカーのランクセスは,マクロポーラス型陰イオン交換樹脂「レバチット® モノプラス TP 109」を発表した。同社ではパーフルオロアルキル化合物やポリフルオロアルキル化合物(PFAS)などの汚染物質をその含有水から効率的に除去する選択性樹脂の製品群を拡充すると発表した。

PFASは,人体や環境に悪影響を与える可能性があるためその除去は重要な課題となっている。イオン交換樹脂は,汚染水から汚染物質を除去する信頼性と効率性の高い手段として長年世界中で有用性が認められてきた。イオン交換と吸着プロセスを組み合わせることでその相乗効果が期待されている。

「レバチット モノプラス TP 109」は,PFAS濃度が10ppb(濃度10億分の1)を超える汚染水の浄化と水質改善に特に効果を発揮する。またPFASのみならず,硝酸塩,臭素酸塩,塩素酸塩,過塩素酸塩などの錯陰イオンも効果的に結合させ,汚染水から確実に除去できる。さらに,濃厚水酸化ナトリウムから塩素酸塩を除去することも可能。

ランクセスではすでにPFASを除去するための選択性樹脂の製品群を提供しており,これらを前洗浄とファイナルポリッシングのために組み合わせることもできる。

粒度分布を有するゲル型の強塩基性陰イオン交換樹脂「レバチット TP 108 DW」は,PFAS,特にこの物質群の短鎖メンバーを10ppb未満の領域でも,その極めて高い選択性により,ppt(濃度1兆分の1)領域まで除去する効果がある。例えば,オーストラリアの消防訓練場では,何ヵ月にもわたって5,000万L以上の地下水から最大200ppbのPFASが除去された。使用可能容量が高く,それに応じて,たとえ塩化物や硫酸塩の存在下にあっても耐用年数が長いため,この樹脂は基本的に再生利用を推奨しない。「レバチット TP 108 DW」は,NSF/ANSI/CAN61基準への適合について認証を受けており,多くの国で重要な品質基準である飲料水への使用に関する米国の要件を満たしている。

弱塩基性でマクロポーラス型の陰イオン交換樹脂としては,もう1つの選択性樹脂である「レバチット MP 62 WS」がPFASに対して中程度の選択性を示す。1.7eq/L(リットルあたりの当量)以上の高い総交換容量と処理能力の高さにより,汚染源の近くに見られるような重度に汚染された浸出水の前処理に最適。水酸化ナトリウムを使用することで効率的に再生できる。

「レバチット K 6362」は,強塩基性陰イオン交換樹脂で,「レバチット モノプラス TP 109」や「レバチット MP 62 WS」を最初の浄化段階で使用する2段階プロセスにおけるファイナルポリッシングに使用できる。(’23 12/6)

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