2023年5月31日

ランクセス,2023年度の活動に関する記者説明会が開催される

アーステック
メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2025
'25 7/23~25
メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025
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ドイツ・特殊化学品メーカーランクセス(LANXESS)の日本法人(代表取締役社長:ジャック・ペレズ 氏)は2023年4月21日(金),都内で記者説明会を開催し,同社の2022年度の実績および2023年度の事業活動,持続可能性への取組みについて説明したほか,同社の三つのビジネスユニット(サルティゴ,無機顔料,ラインケミー)の注力製品等について紹介した(写真1)。

ランクセス,2023年度の活動に関する記者説明会
写真1
2022年度の実績および2023年度の業績見通しについて

2022年度の実績については,グローバルで売上高が前年度比33%増の80億8,800万ユーロ,EBITDAが同14%増の9億3,000万ユーロ,純利益が同60%増の1億8,400万ユーロと顕著に増加した。部門別に見ると,コンシューマープロテクション部門では,米国でのIFF社,エメラルド・カラマ・ケミカル社の買収や価格設定の成功により収益を押し上げたことにより,売上高が同50%増の23億6,600万ユーロ,EBITDAが同30%増の3億6,300万ユーロとなった。スペシャリティアディティブス部門では,米国での好調な事業展開や慎重な価格設定により,売上高が同29%増の29億7,000万ユーロ,EBITDAが同48%増の4億7,900万ユーロとなった。アドバンスト中間体部門では,需要減少と顧客の在庫調整が業績に重荷になったものの,売上高が同24%増の24億1,300万ユーロ,EBITDAが同13%減の2億9,100万ユーロとなった。

また,2022年度に成し遂げたことの一つとして,特殊化学品分野への注力が加速したことを説明。2023年4月1日の取引完了によりアドベントとの合弁会社「Envalior」設立を実現,プラスチック事業の分離を完了したことと,IFF社のマイクロビアルコントロール(微生物制御)事業買収を完了し,微生物制御およびバイオサイド製品のグローバルリーダーになったことについて説明した。

日本法人の2022年度の売上高については,ユーロベースで同27%増加した。

2023年度の業績見通しについては,上期は景気後退,下期は回復を見込むこと,第一四半期も顧客の在庫調整が続くこと,サプライチェーンが安定傾向に向かっていくこと,早くて第二四半期には中国からのポジティブな影響を見込むことなどから,前年度並みを予測している。

ランクセスの持続可能性への取組み

ランクセスでは,「クライメイトニュートラル2040」目標を掲げ,スコープ1+2排出量削減への明確なロードマップと対策を推進している。ジャック・ペレズ 社長は「ランクセスはお客様にとって持続可能なパートナーとなるべく,明確なロードマップと対策を推進しています。ランクセスはこの分野では化学業界でトップクラスの成果を上げており,科学的根拠に基づく目標イニシアチブ(SBTi)により,地球温暖化1.5℃未満の目標への取組みが承認されている数少ない化学企業の一つです」と述べ,グループ再編による排出量削減により,2022年度のスコープ1+2 CO₂e排出量が1,994ktとなり,年率11%削減したことについて説明した。

また,バリューチェーン全体におけるスコープ3の排出量を削減する「ネットゼロバリューチェーン」により,2022年度のスコープ3 CO₂e排出量が11,160ktとなり,年率16%の削減に成功していることについて説明。また,スコープ3での現在進行中のプロジェクトとして,(1)フレーバー&フレグランスビジネスユニットにて2023年末までにポートフォリオ全体で持続可能な製品を提供すること,(2)再生可能エネルギーを使用して製造された塩素,苛性ソーダ,水素の使用により年間12万トンの二酸化炭素排出量を削減すること,(3)ランクセス自社製品のカーボンフットプリントを算出する「プロダクト・カーボン・フットプリント・エンジン」を自社開発したことについて紹介した。

さらに,コンシューマープロテクション部門にて持続可能性への潮流が同社のビジネスに好影響を与えている例として,持続可能な水処理の分野にて液体高純化テクノロジーズビジネスユニットが「レバチット(R)スコープブルー」を提供していること,物質保護剤ビジネスユニットが飲料用の持続可能な天然由来保存料を提供していること,サルティゴビジネスユニットが虫よけ剤に使われる有効成分「サルチジン(R)」を提供していることについて紹介した。

各ビジネスユニットの注力製品についてのプレゼンテーション

ランクセスの注力製品として,藤野 理哉 氏(サルティゴビジネスユニット 日本統括マネージャー),菅谷 一雄 氏(無機顔料ビジネスユニット 日本統括マネージャー),渥美 貴生 氏(取締役 兼 ラインケミービジネスユニット 日本・韓国統括マネージャー)より,各ビジネスユニットにおける注力製品についてプレゼンテーションが行われた。

展示コーナーの紹介

記者説明会終了後,展示コーナーにて同社の各ビジネスユニットの担当者より展示製品を紹介。ルブリカントアディティブスビジネスユニットがeモビリティ向け潤滑油添加剤として,Additin(R),Naugalube(R)や合成基油Hatcol(R),Synton(R)のほか,新規開発製品「EP-Boosterパッケージ」をパネル展示で紹介した(写真2)。(’23 5/31)

ルブリカントアディティブスビジネスユニット展示ブース-ランクセス2023年度記者説明会
写真2 ルブリカントアディティブスビジネスユニット展示ブース

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