2022年11月17日(木),「2022 SSOHエネルギー市場セミナー」が開催された。主催はスタンダード石油大阪発売所(SSOH)で,昨今の新型コロナウイルスの感染状況を受け,昨年に引き続きオンラインでの開催となり,130余名が聴講した。
第9回目となる今回のセミナーでは,マーケット・リスク・アドバイザリー 代表取締役の新村 直弘 氏を講師に迎え「MRAリサーチ 2023年度商品・為替市場動向見通し~調整強める世界経済 迫るスタグフレーションのリスク~」と題した講演が行われた。
講演に先立ちSSOHの河野 義典 代表取締役社長は,「世界状況が不透明な中,上昇するエネルギー価格,カーボンニュートラル,温室効果ガス排出抑制など,取り組むべき課題にいかに対応するかが求められている」と挨拶で述べた。
新村 氏は講演で「現在は景気動向が上昇に転じるのかさらに下降線を描くのかの岐路にある。金融の引き締めは生産増加にブレーキがかかり,インフレ解消のための金利引き上げは,やりすぎればさらなるインフレを招きかねない」と日米の経済状況を比較しながら,今後の見通しに触れ,「化石燃料は今後使用を減らしていくものであり,それに向けての新たな投資は考えにくく,石油製品の価格は高止まりする」と今後の見通しを立てた。
さらに今後の日本について「2050年にCO₂ゼロを掲げているが,そのときに人口は約1億人と推定され,エネルギー消費水準は1968年ごろの水準になる。しかし,人口減のほとんどが労働人口であり,エネルギーの購入コストは現在の1.2~1.5倍になっている。そうした中で重要になるのは“ときめきある商品・サービスの提供”であろう」と述べた。(’22 12/14)