2021年12月8日

ジェイテクト,環境循環性に優れるギ酸を用いた新燃料電池の実証機を開発

アーステック

ジェイテクトは,環境循環性に優れるギ酸を有効活用した新燃料電池の研究開発に取り組み,その実用化を目指した国内初の50W級機能実証機を開発した。2018年より,燃料電池分野に精通する金沢大学の辻口 准教授と直接ギ酸形燃料電池の共同研究を進め,今回の成果に繋った。

ギ酸は,工業分野では樹脂や酢酸製造時の副産物としても生産・流通しており,主に畜産・農業分野で使用されているがその使用分野は限定的で,エネルギー資源としては未利用である。ギ酸の水溶液は燃焼・爆発の可能性がなく安全性に優れ,環境循環性が高いことから,他の発電用燃料と比べ,入手性,環境性の点でも優位となっている。また将来的には,人工光合成に代表される二酸化炭素と水の反応で合成されるギ酸の活用も期待できる。

直接ギ酸形燃料電池は,固体高分子形燃料電池の一種で,燃料として水素ガスやアルコール水溶液ではなく,ギ酸水溶液と空気中の酸素を用いて発電する燃料電池。現在,同社は数百W級の燃料電池の開発を進めており,社内での利用を計画している。さらには1kW級の開発を進め商品化を目指している。

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