島津製作所は,2020年2月27日に水中光無線通信装置「MC100」を発売した。同装置は10m以上の距離で,95Mbps以上の通信速度による水中無線通信を可能にした。海底探査・パイプライン保守管理などに用いる無人潜水機(水中ドローン)向けに提供し,安定的な水中通信を実現する。
従来,水中での通信にはケーブルによる「有線」もしくは通信速度が低い「音波」が主流となっていたが,前者はケーブルによって水中ドローンの活動に制限が生まれ,後者は数十kbpsの通信速度が限界となっていた。同社は,指向性と応答速度に優れた半導体レーザーを源に用いて,「低消費電力のまま高速通信」を可能にした。同装置は,同社と海洋研究開発機構(JAMSTEC)が取り組んだ,防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」を利用しての研究開発の成果が活用されている。(’20 3/11)