出光興産は,2019年3月12日(火),都内で「2019年販売店合同ミーティング」を開催,全国580店の販売店から862名が出席した。
木藤 俊一 社長(写真)は,冒頭で「来年度はここに昭和シェル系列の皆さまが加わり,更に盛大に開催することを検討しております」と述べ,2019年4月から統合新社「出光昭和シェル」がスタートすることについては,「私共がここまで来られたのは,ひとえに販売店の皆さまとの強い絆に支えられ,励ましていただいたからにほかなりません。経営統合までの道のりの中で,事態が膠着し思うように進まず大変厳しかった時期も,皆さまが応援し続けてくださったことがどれ程心強く,頼もしかったことか。改めて心から感謝申し上げます。」と販売店への感謝の意を表したうえで,「出光昭和シェルのスローガンは,『人は,無限のエネルギー』を掲げました。自身の能力に限界を設けず,一人ひとりが能力を最大限に発揮すると共に組織全体,サプライチェーン全体のチーム力を高め,社会発展に貢献する。そのことを通じて自らの人生をより豊かなものにするということを意味しています。経営統合後もこれまでと同様に『人が中心の経営』を貫いてまいります。」と統合後のグループの方針について述べた。
統合後の燃料油事業については,「我々の強みであるネットワークに昭和シェル系列の皆さんが加わることで,1企業では成し得なかった規模での課題に取り組むことができます。顧客満足度を上げるための既存サービスの向上等はもちろんですが,AI,ロボティクス,EVから派生する技術を使った新しいビジネスモデルにも果敢に挑戦していかなければなりません。」と,新たなビジネスモデルの構築にも言及し,具体的には,EVのモーター用のオイルやロボット用のグリース等を例として挙げた。
一方で,エネルギーの安定供給という社会的使命を果たすため,インフラの強靭化の必要性についても触れ,「今後も国民のライフラインの最後の砦としての役割を果たすために,我々は日頃から生産,物流における事故や災害をなくし,有事の際にも混乱しないよう供給体制の維持・強化に更に力を入れて取り組んで参ります。これには,配送ネットワークの構築が必要となります。デリバリーセンターの相互利用や代行配送といった販売店の皆さまの連携,ご協力がなければ実現することはできません。引き続き皆さまが連携・協力しやすい環境の整備も進めていきたいと思います。」と述べた。
統合後は8統括支店体制となり,人員体制も刷新する。木藤 社長は,「生い立ちの違う特約店さんとは,すぐに融和するのは難しい点もあると思います。4月の経営統合が決まって以来,私は社員に向けて,『統合新社は,出身母体に捉われず,分け隔てなく,全員が活躍できる会社にしていく。これは統合新社の競争力にとって一番大切なことだ。』と伝えています。また,出光が大切にしてきたものは『言葉で語り継ぐのではなく,自らが実践,体現して相手に伝える。そうすることで新しい仲間に普遍の理念が浸透し,進化していく。』と話しています。販売店の皆さまも,我々の『強い絆』のもとに築き上げてきたそれぞれの強みを自ら示し,相手の良いところは取り入れ,互いに切磋琢磨していただきたいと思います。」と販売店に向けて語った。そして,最後に,「これから先の時代は,技術革新によって,石油やエネルギーだけでなく,人々の生活自体が大きく変化していくことが予想されます。しかしながら,どんな時代がこようとも,皆さんが担っている『お客様との接点』が大事であり,それが全てのベースとなることに変わりはありません。お客様のニーズや価値観が多様化し,様々な購買形態が提供されていく中にあっては,お客様との接点であるSSの現場がますます重要になってきます。ここにお集まりの販売店さんは,地域になくてはならない,まさに勝ち残った皆さまです。今後もお客様との信頼を更に深め,地域に密着した取り組みの実施をお願いしたいと思います。我々は,それぞれのエリアが抱える問題と地域が持つ潜在価値から,社会的課題の解決を図るビジネス開発を行い,さまざまな取り組みを提案しながら,皆さまと共に事業を推進して参ります。これからも『人の力』の可能性を信じ,販売店の皆さまとの『絆』を強めながら,共に新しい時代を築いていきたいと思います。」と述べ,挨拶を締め括った。(’19 3/20)