DLC工業会(会長:中森 秀樹 氏)は,2017年11月10日(金)東工大蔵前会館(東京都目黒区)で「DLCの国際標準化と最新産業応用」と題した設立記念講演会を開催した。
同工業会は,DLC産業界の発展,新規格を利用した産業界の活性化,関連機関や団体との交流や国際交流,エンドユーザーとの連携活動促進などを目的として一般社団法人として設立し,現在会員数は9社。さらなる会員企業数の拡大とDLC関連技術発展に貢献する活動を推進している。
前半では国際標準化関連,後半では実際の適用事例として生活用品,自動車,医療や会員企業による技術紹介を行った。
DLCの国際規格化は,ニューダイヤモンドフォーラム(JNDF)が2016年3月に「DLC膜のボールオンディスク法による摩擦摩耗試験」,2017年9月には「カーボン膜の分類」を国際会議にて活動し,規格が発行されている。今後はDLC膜のボールオンディスク法を用いた摩擦摩耗試験規格を活用するために,工業会で「DLCコーティング性能に関する承認制度」の計画や「膜厚が300ナノメートル以下のDLC膜を対象とした密着性評価試験に関する規格案」の検討をしている。
当日のプログラムは以下の通り。
- 会長挨拶「DLC工業会について(設立の経緯と活動計画)」 中森 秀樹 氏(DLC工業会 会長)
- 基調講演「DLCの国際標準化―カーボン膜の分類規格を中心として―」 大竹 尚登 氏(東京工業大学)
- 「DLCの国際標準化に関わる国際調整」 シュピンドラー 千恵子 氏(DLC工業会 監事)
- 「ISO18535(DLCの摩擦摩耗試験法)に関わるラウンドロビン試験」 川口 雅弘 氏(東京都立産業技術センター)
- 「DLC評価試験のISO規格とDLC工業会での規格適合承認制度」 平塚 傑工 氏(DLC工業会 理事)
- 「DLCナノコーティング商品『お掃除ラクラク鏡』」 鳩野 広典 氏(TOTO)
- 「DLCの医療機器への応用」 鈴木 哲也 氏(慶応義塾大学)
- 「自動車を取り巻く環境とDLCの貢献」 馬渕 豊 氏(日産自動車)
- 「工業会会員企業技術紹介」 大塚電子,平和電機,リックス (’17 11/29)