特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイは,FTE automotive Groupが,Ixef(R) 1027ポリアリールアミド(PARA)を使用した新しいクラッチアクチュエータシステムの開発を行ったと発表した。
FTE automotive Groupは,自動車向けのドライブトレインとブレーキシステムの開発・製造を行う,乗用車および商用車向けの大手OEサプライヤー。
Ixef(R) 1027 PARAは,高温状態下で車内での騒音の原因となっていたガラス充填ポリアミド(PA)6/6製のアクチュエータに代わるものであり,熱線膨張率の低下と寸法安定性の向上を示すことにより,新しいアクチュエータの設計に採用された。現在,米国で販売されている主要な大型ディーゼルトラックに搭載されている。
FTEはこれまでにも,新世代のマニュアルトランスミッションのトラックを開発する度に車内での騒音を低減してきたが,今まで比較的静かであった部分の音が目立つようになり,クラッチペダル,あるいはクラッチペダルによって作動する油圧アクチュエータシステムの騒音を低減し,改善することが課題となっていた。アクチュエータには,ペダルに連結されたピストンと,トラックのドライブトレインに連動するスレーブシリンダーで構成されたマスターシリンダーがあり,クラッチペダルを踏むと,ブレーキ液がマスターシリンダーからスレーブシリンダーに押し出され,続いてトランスミッションがエンジンから解放される。
ソルベイとFTEは,非常に高い強度と剛性,優れた耐クリープ性を兼ね備えた50%ガラス繊維強化の熱安定化コンパウンドIxef(R)1027 PARAを協力して評価し採用した。同製品は,流動性が高く,金型への充填が容易であるため,成形されたクラッチシリンダーのボア内面において樹脂分の多い層が形成されることにより,表面を非常に滑らかに仕上げることができる。従来のナイロンの直鎖構造とは異なり,PARAの分子構造は芳香族環を持つため,吸水率が大幅に低下し,クラッチシリンダーの寸法安定性が向上した。(’17 6/28)
SURTECH 2025「トライボロジーセミナー2025」,1/31東京ビッグサイトで開催
2025年1月29日(水)~31日(金)の3日間,東京ビッグサイト(東京都江東区)で「SURTECH 2025 表面技術要素展」(主催:表面技術協会,日本鍍金材料協同組合,JTBコミュニケーションデザイン)が開催される。同展は,めっき技術をはじめ表面処理・表面改質・表面硬化など幅広い産業分野に対応した表面技術の専門展示会。「サステナブルな世界を支える表面のつくりかたがここにある!」をテーマに,表面技術やトライボロジー特性の評価・計測に関する技術・製品が一堂に展示される。...