出光興産は,2017年3月9日(木),都内ホテルで「2017年販売店合同MTG・出光会全国大会」を開催した。
月岡 隆 社長は,「当社は2016年12月19日,公正取引委員会の承認を得て,昭和シェル石油の株式31.3%を取得致しました。販売店の皆様をはじめ関係者の方々の支えがあってはじめて実現できたことだと受け止めています。ここまで皆さんに応援して頂けるのは,創業以来独立を保ってきた出光が,日本の石油業界の将来を憂え,業界再編に乗り出した,そこには自社の利害得失を越えた,日本のエネルギーセキュリティを確たるものとしようとする大義があり,多くの方がその大義に共感してくださったからだと思います。日本の石油業界の,著しく不公正な競争環境の中で,真面目に努力する人が報われず,不毛な消耗戦を繰り返すような業界をいつまでも放置しておいてよいのか,ここで出光が動かずしてどうするんだとの思いで動いたことこそが出光理念『国家社会に示唆をあたえる』の実践であり,その思いはいささかも揺らいでおりません。 現時点では昭和シェル石油との統合の時期を明確に申し上げることはできません。しかし,時間はかかったものの,ここまで一つ一つのステージを着実にクリアしています。経営統合は必ずや成し遂げます」と,昭和シェル石油との経営統合の実現に向け強い決意を述べた。
海外での事業戦略については,「現在の成長戦略の大きな柱の一つであるベトナム ニソン製油所の建設PJについては,多少の遅れはあるものの順調に進み,装置の建設工事自体はほぼ完了し,今年中の操業開始に向け最終段階に入っています。60年前に出光にとって初の製油所を徳山に建設し,60年後の今,ニソン製油所が日本勢として初の海外製油所となることに感慨深いものがあります。また,クウェート国際石油との合弁会社としてIDEMITSU Q8を設立し,ベトナム国内に1号SSを準備中であり,2017年度中にはオープンのご報告ができると思います。ベトナムをはじめとする東南アジアは成長途上にあり,まだまだ石油需要の伸びが期待できますので,このエリアで出光の存在感を高めて行くことは,極めて重要と考えています」と述べた。
国内販売における2017年度の方針については,「お客様に満足頂き,末永く支持されるお店づくりと競争力強化,そしてそれを支える『人』の育成強化をこれまで以上に推進していただくことをお願いしたいと思います。顧客のニーズが多様化しているなかで全国一律の対応ではお客様の満足を満たせません。出光の様々な施策を上手く使って,出光の担当と一緒になってそれぞれの地域特性にあった店づくりを進めていただきたいと思います。どんなに技術が進んでも競争力の源泉,最後は人であります」と述べた。(’17 4/5)